丸山ワクチン
丸山ワクチンは、「名前ぐらいは知っている」という方も含めれば、かなり多く人々に知られていると思います。1944年、当時の日本医大皮膚科教授故丸山千里博士が、皮膚結核の治療薬として開発したワクチンです。がんの治療薬として使われ始めたのが1966年との事ですから、ゆうに半世紀を超えた歴史があるということになります。がんの専門家で「丸山ワクチンは効かない」という意見も多く存在する中で、これ程の間使われ続けている理由はどうしてなのでしょう。私は5年前から日本医大ワクチン療法施設の嘱託医として、丸山ワクチンを希望して来院される、がんの患者様やそのご家族の相談を受ける中で、やはりワクチンは効いているとの意を強くしています。
このように長年使われてきた丸山ワクチンですが、つい最近までどのような機序で効果を発揮しているのかよくわからない面もありました。しかし、ここ数年、日本医大微生物免疫学教室の高橋秀実教授を中心とするグループの研究で、このワクチンは人間(動物)の皮膚直下に存在する樹状細胞という細胞を活性化し、がん細胞を異物として認識する能力を高め、結果としてがん細胞を殺すキラー細胞の誘導を高めることがわかりました。
残念ながら丸山ワクチンは、未だ治験薬の扱いで、このワクチンを使用するためには、治験への参加に同意した医師(ワクチンを打ってくれる医師)の承諾書が必要になります。当クリニックでは、嘱託医としての経験を生かして、主治医としてもワクチン注射を実施しています(通院可能な方に限定させていただいています)。
当クリニックのおける丸山ワクチンのご相談は完全予約制となります。
詳細はホームページを参照してください。